
変動金利って、5年ルールがあるから急に返済額が上がることはないって聞いたんですけど……正直、金利が上がっても安心していいんですかね?

「安心」は半分正解で、半分は誤解だよ。返済額が急に増えないのは本当なんだけど、その裏に意外と知られていないリスクが潜んでいる。

え、リスク?5年ルールって、金利が上がっても守ってくれる仕組みじゃないんですか?

守ってくれるのは「月々の返済額」だけで、利息の総額は守ってくれないんだよ。むしろ知らないままでいると、気づかないうちに借金がなかなか減らない状態になることがある。

……それは怖いですね。うちも変動金利で2,500万円ほど残ってるんで、ちゃんと理解しておきたいです。

それなら今日の記事がぴったりだよ。①5年ルール・125%ルールの本当の仕組み、②隠れた落とし穴(未払い利息)、③今すぐできる3つの対策、この3点を家計目線で整理していくね。
変動金利で住宅ローンを借りているあなたは、こんな安心をしていませんか?
「5年ルール・125%ルールがあるから、金利が上がっても急に返済額は増えない。だから変動金利でも大丈夫」——その安心、半分は正しくて、半分は危険な誤解です。
5年ルール・125%ルールは確かに「月々の返済額」が急に増えるのを抑えてくれます。でも、増えなかった利息はどこかに消えるわけじゃなく、こっそり積み上がっていきます。これが「未払い利息」の正体です。
日銀の利上げが続き、2026年4月には多くのメガバンクで変動金利の適用金利が15年ぶりに1%を超えました。これからも金利が上がる可能性があるいま、このルールの仕組みと落とし穴を正確に理解しておかないと、10年後に「こんなはずじゃなかった」という事態になりかねません。
この記事では、残高2,500万円・変動金利モデルで具体的な試算を交えながら、①5年ルール・125%ルールの本当の仕組み、②未払い利息の隠れたリスク、③今すぐできる対策3つを解説します。読み終えるころには、漠然とした不安が「やるべきこと」に変わるはずです。
5年ルール・125%ルールとは?まず基本を押さえよう
まず、この2つのルールが何なのか、シンプルに整理しましょう。
5年ルール——金利が上がっても5年間は返済額が変わらない
変動金利の住宅ローンは、通常6ヶ月ごとに適用金利が見直されます。つまり金利が上がると、その6ヶ月後から新しい金利が適用される仕組みです。
ただし「5年ルール」がある場合、金利が変わっても毎月の返済額は5年間固定されます。金利が上がった分は、返済額の内訳——元金(元本)と利息の割合が変わるだけで、合計額は変わりません。
たとえば毎月72,700円を返済していた場合、金利が上がっても5年間は72,700円のままです。家計管理のしやすさという点では、これはメリットです。
125%ルール——5年後の見直し時も上限は1.25倍まで
5年が経過すると返済額が見直されます。このとき新しい返済額は、前の返済額の1.25倍(125%)を上限とするのが125%ルールです。
毎月72,700円だったなら、どんなに金利が上がっても次の5年間の返済額は最大90,875円(72,700円×1.25)まで。それ以上は増えません。
一見すると、これはとても心強い仕組みです。でも——。
「安心」のウラに潜む落とし穴——未払い利息の正体
5年ルール・125%ルールへの最大の誤解は、「金利が上がっても損しない」というイメージです。実際は違います。
元本の減りが鈍くなる
金利が上がると、月々の返済に占める利息の割合が増えます。でも5年ルールで返済額は変わらないので、元本(借りたお金の本体)への充当額が減ります。
イメージとして:
- 金利が低いとき → 返済72,700円のうち、利息10,400円+元本62,300円
- 金利が上がると → 返済72,700円のうち、利息40,000円+元本32,700円
元本の減り方が一気に鈍くなります。これが「返済しているのに残高がなかなか減らない」の正体です。
極端に金利が上がると「未払い利息」が発生する
さらに深刻なのが、金利が急激に上がった場合です。
未払い利息(みはらいりそく)とは、毎月の返済額では利息すら払いきれない状態になったとき、払えなかった利息分が残高に上乗せされていく現象です。
本来ならローン残高は返済するたびに減っていくはずなのに、未払い利息が積み上がると残高が増えていく「逆転現象」が起きます。返済しているのに借金が増えていく——これが5年ルール・125%ルールが持つ、最大の落とし穴です。
実際いくら変わる?残高2,500万円で試算してみた
では具体的な数字で見てみましょう。想定モデルは「残高2,500万円・変動金利0.5%・残り30年」です。
【試算①】現状(金利0.5%)
- 月々の返済額:約72,700円
- そのうち利息:約10,400円
- 元本に充当:約62,300円
125%ルールが適用される場合の5年後上限:72,700円 × 1.25 = 約90,875円
この「90,875円」が基準になります。
【試算②】金利が2%に上昇した場合
金利が2%になると、残高2,500万円・残り30年(5年後の見直し以降)で本来必要な返済額は約92,500円/月になります。
でも125%ルールがある場合、返済額の上限は90,875円。毎月の差額は約1,600円が未払い利息として積み上がります。
- 1年で約19,200円
- 5年で約96,000円(約10万円)
じわじわ積み上がる金額です。これは決して他人事ではありません。
【試算③】金利が3%に急騰した場合(最悪シナリオ)
金利が3%に上昇すると、本来必要な返済額は約105,000円/月。
125%ルールの上限90,875円との差は約14,100円が毎月未払い利息に。
- 1年で約169,200円
- 5年で約846,000円——実に84万円以上が未払い利息として積み上がる計算です
この間もローン残高は減らず、むしろ少しずつ増え続けます。ただし、金利が3%まで急騰するシナリオはかなり極端なケースです。現実的には段階的な上昇になりますが、「あり得ない話ではない」という認識は持っておく必要があります。
5年ルール・125%ルールがない銀行もある
実は、変動金利のすべての住宅ローンにこのルールがあるわけではありません。
5年ルール・125%ルールを採用していない主な金融機関(2026年4月現在):
| 金融機関 | 5年ルール | 125%ルール |
|---|---|---|
| PayPay銀行 | なし | なし |
| ソニー銀行 | なし | なし |
| SBI新生銀行 | なし | なし |
| 楽天銀行 | なし(TIBOR基準) | なし |
| 住信SBIネット銀行 | なし(※) | 条件による(※) |
※住信SBIネット銀行は2025年12月18日以降の新規契約分から125%ルールを導入。それ以前の契約には適用されません。
ルールがない銀行では、金利が上がると翌月の適用から返済額に反映されます。
ルールなしのメリット:元本が着実に減る。未払い利息が発生しない。
ルールなしのデメリット:金利が上がると返済額が即座に増える。家計への影響が直接的で大きい。
「5年ルール・125%ルールがあるから安心」と思っているなら、まず自分のローンがどちらのタイプかを確認するのが最初のステップです。

ルールがない銀行で借りている場合は、金利が上がったら即座に返済額に響くってことですよね?それはそれで怖いような……

そう。ただルールなしのほうが、元本がしっかり減るという意味では健全な仕組みでもあるんだよね。「返済額が増えるリスク」と「未払い利息が溜まるリスク」、どちらのリスクと向き合うかの違いとも言える。どちらが自分に合っているかは、次の返済額見直しのタイミングで一度考えてみるといいと思うよ。
📖 あわせて読みたい:僕の楽天カードの使い方|30代から始める家計管理・積立投資の活用法
今すぐできる3つの対策
金利上昇への備えは、今日からできることがあります。
①自分のローンの「タイプ」をまず確認する
最初にやるべきことは、自分の住宅ローンに5年ルール・125%ルールがあるかどうかを確認することです。
借入時の契約書や銀行のWEBマイページで確認できます。わからなければ、銀行に電話して「私のローンは5年ルール・125%ルールはありますか?」と聞けばOKです。
確認しておくポイント:
- 5年ルール・125%ルールの有無
- 次回の返済額見直し時期
- 現在の適用金利(何%か)
これを把握しているだけで、金利ニュースを見たときの「自分への影響」がリアルに計算できるようになります。
②繰り上げ返済より「手元資金の確保」を優先する
「金利が上がるなら繰り上げ返済すべきでは?」と思う方は多いですが、僕のスタンスは少し違います。
まず優先すべきは、生活防衛資金(生活費6ヶ月分)の確保です。変動金利リスクに備えようと手元資金をゼロにしてしまうと、急な出費や収入減に対応できなくなります。
具体的な目安:
- 世帯月の生活費が25万円なら → 150万円(25万×6ヶ月)を普通預金・高金利の預金口座に確保
- 楽天銀行や住信SBIネット銀行は普通預金金利が0.1%程度(2026年4月時点)。メガバンクよりも多少有利です
生活防衛資金が確保できたなら、その後で「繰り上げ返済かNISAか」を検討するのがおすすめの順番です。
③余剰資金はNISAで長期・積立・分散投資を続ける
「繰り上げ返済かNISAか」は多くの人が悩むポイントですが、住宅ローンの適用金利が1〜2%程度であれば、NISA(インデックス投資)の長期的な期待リターン(年3〜5%程度)が上回る可能性があります。
具体的には、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)やS&P500への積立投資を月々コツコツ続けるイメージです。
ただし「必ず勝てる」とは言えません。これは自分のローン金利と投資リターンを比較して判断するものです。まずは「今の自分の適用金利が何%か」を確認した上で検討してください。
📖 あわせて読みたい:住宅ローン繰り上げ返済よりNISAを優先すべき理由|2026年共働き世帯の試算
僕はこう考えています
正直なところ、5年ルール・125%ルールは「心理的な安心装置」として機能している面が大きいと思っています。
金利が急に上がっても返済額がすぐ増えないのは確かに助かる。でも「増えないだけ」で、利息の総額は確実に増えている——この事実から目を背けていると、気づいたときには未払い利息が溜まっていた、ということになりかねません。
僕自身も変動金利で住宅ローンを抱えていて、2025年の日銀利上げをきっかけにローンの内容を改めて確認しました。幸いルールの有無や適用金利は把握できていましたが、「なんとなく安心だと思っていた」という感覚があったことは否定できません。
大切なのは「ルールがあるから安心」ではなく、「ルールの仕組みを理解した上で、自分の家計でどんなリスクがあるかを数字で把握する」ことだと思っています。
あくまで僕の考えですが、30〜40代で住宅ローンを抱えている家庭にとっては、まず「自分のローンを正確に把握すること」が最初の一歩。その上で、NISAや繰り上げ返済といった具体的な行動を考えていくのが、現実的なアプローチだと思っています。
まとめ:5年ルール・125%ルールで大切なこと
- 5年ルール:金利が変動しても5年間は月々の返済額が変わらない仕組み
- 125%ルール:5年後の見直し時も、新返済額は前の1.25倍が上限
- 落とし穴:返済額が変わらなくても元本の減りが鈍くなる。金利が急騰すると「未払い利息」が発生し、ローン残高が増えることがある
- 試算結果:残高2,500万円・金利3%急騰シナリオでは、毎月14,100円・5年で約84万円の未払い利息が積み上がる可能性
- 対策の順番:①自分のローンのタイプを確認 → ②生活防衛資金(6ヶ月分)を確保 → ③余剰資金はNISAで長期積立
まずは自分の住宅ローンの書類を引っ張り出して、5年ルールの有無と次回の見直し時期を確認してみてください。数字を把握するだけで、漠然とした不安がかなりクリアになるはずです。
金利が実際に上がったとき、返済額にどう影響するか試算した記事もあります。
👉住宅ローン変動金利が上がった。7月から月いくら増える?共働き世帯の対策5選
生活コストを下げて返済余力を高めたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
📖 あわせて読みたい:僕の楽天カードの使い方|30代から始める家計管理・積立投資の活用法
※この記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入や投資行動を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身の責任でお願いいたします。



コメント