経済ニュース解説:日本生命が「基礎利益」過去最高見込みに上方修正
時事通信の報道によると、日本生命は2026年3月期の業績予想を上方修正しました。保険料等収入は約9兆3100億円、そして本業の儲けを示す指標の一つである基礎利益は約1兆2500億円へ。どちらも過去最高を見込む、という内容です。
ここで注目したいのは、「保険会社が儲かっている」という事実そのものよりも、なぜそこまで利益が出る構造なのかです。保険会社の収益源は大きく分けて、①契約者が支払う保険料、②運用益(国債や株式など)、③保障に対する支払いの差(保険金支払いが想定より少ない等)です。金利環境や運用が改善すれば利益は出やすくなりますが、根っこにあるのは、やはり私たちが払い続ける保険料です。
会社員視点ゾーン:保険は「確率は低いが、起きたら破綻」の保険だけでいい
ここからは会社員の家計に引きつけて考えます。
保険に入る基準はシンプルでいいと思っています。
「起きる確率は低い。でも起きたら生活が破綻する」
このタイプのリスクにだけ、保険を使う。
逆に言うと、
- 起きる確率は高いが損失が小さいもの
- 制度でカバーできるもの
は、保険ではなく貯蓄で対応するのが合理的です。
典型が「医療保険」です。日本は医療費が原則3割負担で、さらに高額療養費制度があります。ざっくり言えば、現役世代の一般的な所得層なら、自己負担は月あたり8万円前後+αに収まるケースが多い(収入で上限は変わります)。
もちろん差額ベッド代や先進医療など例外はありますが、「なんとなく不安だから」で毎月数千円〜1万円の固定費を払い続けるのは、資産形成的にはかなり重い。
医療保険の怖いところは、支払いが“見えない形で一生続く”ことです。月5,000円でも年間6万円。20年で120万円。しかも運用しないお金。
一方で、その固定費を削って生活防衛資金を厚くし、残りをつみたてに回せば、家計の耐久力は上がります。
「必要な保険」だけ残すと、家計の伸びしろが一気に増える
会社員にとって保険を整理する目的は、「保険嫌いになること」ではなく、お金の使い方の優先順位を正しくすることです。
おすすめの順番はこうです。
- 生活防衛資金を確保(生活費の3〜6か月分が目安)
- その上で、破綻級リスクだけ保険でカバー
- 働けなくなった時の収入減(就業不能の備えは要検討)
- 家族がいるなら万が一の死亡保障(必要額は「不足分」だけ)
- 余力は**つみたて(新NISAなど)**へ
重要なのは「保険に入る」より、「入らないで済む体質=現金クッションを持つ」こと。保険は“安心”を買う商品ですが、安心の源は本来、手元資金と制度理解です。
保険会社のビルが大きい理由、1000万プレイヤーがいる理由
ここで一つ、ニュースに戻ります。
保険会社はなぜ都会の一等地に大きなビルを建てられるのか。なぜ「年収1000万」級の保険営業が存在するのか。
答えはシンプルで、そこに回るお金があるからです。
そしてその原資の多くは、私たちが長年払い続ける保険料。もちろん企業努力や運用もありますが、家計から見れば「固定費として吸い上げられやすい構造」がある。
だからこそ会社員は、感情ではなくルールで判断したい。
“必要な分だけ加入し、残りは家計に返す”。
これが、資産形成に一番効く保険の付き合い方だと思います。
まとめ:保険の見直しは、利回りの高い「固定費削減投資」
日本生命の好決算は、保険が悪いという話ではありません。
ただ、保険会社がこれだけ利益を出せるということは、私たちの家計側から見れば「見直し余地がある支出」が眠っている可能性が高い、というサインでもあります。
保険は、
低確率×破綻級だけ。
それ以外は、制度理解+生活防衛資金+つみたてで十分。
今日できる一歩は、「今入っている保険を全部書き出して、目的が説明できるか」を確認すること。説明できない保険は、家計を守っているようで、実は資産形成を遅らせているかもしれません。
出典
- 時事通信(Yahoo!ニュース)「〔決算〕日本生命、基礎利益予想1兆2500億円に上方修正」2026年2月26日 20:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/eeeaf86aadf9bbabf0fb4618a95150b7aee13dba
※記事内の制度説明(高額療養費制度など)は概要です。自己負担上限は年齢・所得区分・加入制度等により異なります。


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